書籍制作におけるCollate Proの活用

InDesign機能

原稿どおり文書が組まれているかの確認は、組版作業に不可欠ですが、
当社が導入したCollate Proは異なるレイアウトの文書を照合できます。
ソフトウェアの特長と当社の活用事例について紹介します。

文字校正を効率化

当社が扱っている試験問題、IR資料、カタログといったジャンルの制作物には文字の間違いがあってはなりません。そのため、原稿と組版後の文書の文字に相違がないかどうか、必ず検査を行います。
これまで、その検査は目視で行っていました。レイアウトが異なる文書はデジタル検版ソフトで照合できないためです。しかし、当社が導入したドキュメント差分検出ソフト「Collate Pro」によって、レイアウトが異なるだけでなくファイル形式が異なるデータ同士であっても、その文字情報を機械的に比較検査することが可能になりました。上図のような形で差分がPDF出力されます。
現在、入稿原稿の多くがWordデータで支給されていますが、機種依存文字の使用や作業環境(WindowsとMac)の違いなどにより、InDesignに流し込んだ際に文字化けや文字の欠落が発生する場合があります。また、テキストデータをPDFから抽出した際、文字の欠落や順番の変化が起きたという事例も確認されています。これらの事象を納品前に発見するため、当社ではCollate Proを使い、原稿と組版後の文書の差分検出を行っています。文章量が多くても一括処理できるため、人間が目視で行うよりも速く正確で、大幅な省力化となります。
ウラ面で当社のCollate Pro活用事例をいくつか紹介しています。

Collate Proの活用

Collate ProにはPDFデータ内で使われているフォントの特定や、特定の文字に対するマーキングなどの機能も備わっており、照合検査以外にも様々な用途で活用できます。
看護・医療系の書籍では、体の部位や病名を表す漢字の字形が決められていることが多く、これらの表記が正しいか確認するために、当社ではCollate Proのマーキング機能を活用しています。
この機能を使って、児童用の書籍などで未習漢字が使われている箇所をマーキングするといったこともできます。他にも、全角数字や半角数字、約物など設定次第で様々なマーキングが可能です。
自動組版のシステム設計にも活用しています。自動組版の原稿は主にExcelファイルなどですが、設計の段階で原稿と試し組みした数ページ分のInDesign文書をCollate Proを使って照合し、データの紐付けなどに不備がないか確認しています。
また、書籍をEPUBなどの電子書籍にした際に、文字内容が底本と異なっていないか検査することも可能です。レイアウトやファイル形式に関わらず検査ができるCollate Proは、マルチメディアに向いた検査ツールとも言えます。
当社では、お手持ちのデータのCollate Proによる差分検出やマーキング結果の出力のみの作業もお請けしています。ぜひご相談ください。


Collate Proの活用事例

Word原稿と組版後InDesignの照合結果です。Word取り込み時の不具合で欠落してしまった文字や、組版作業中のヒューマンエラーによる不要な文字の混入などの差分を検出することができます。


自動組版では、まず原稿(Excel)データとInDesignフォーマットの紐付けを行います。その設計段階でCollate Proを使って照合検査を行い、紐付けの漏れがないか確認しています。


小学校で習う漢字を学年別にマーキングすることができます。学年毎に自動的にレイヤー分けされているので必要に応じて表示・非表示を切り替えることが可能です。児童用の書籍などで未習、既習漢字の確認が一目で行えます。


全角の英数字、半角の英数字や約物など指定の字体にマーキングされ、さらにレイヤー毎に表示・非表示ができます。

看護・医療系書籍ではこのように字体を指定されるケースが多いですが、Collate Proでこれらを一括マーキングすることが可能です。

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