明昌堂クリエイティブレポート
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 上にDTPデータを診断するためのチェックリストを用意しました。データを制作されたデザイナー様にこちらのチェックリストの各項目を確認いただき、必要な情報を次工程に申し送ることにより、トラブルの多くは回避できます。 アプリケーションの高機能化が進むにつれ、書籍制作のワークフローも多様化しています。原稿を入稿する際のデータ形式、校正の方法、印刷会社へ入稿するデータ形式まで多くの選択肢が生まれており、商品の内容に合わない誤った選択をすると作業効率を大きく損なってしまいます。とは言え、効率がよくトラブルのないワークフローを的確に選択するには、専門的な知識と技術、そして最新の設備を持っていないと難しい状況になっています。 当社に入稿いただいたデザインデータは、特にご指示いただかなくても印刷時にトラブルが起きないよう最適化処理を行っています。また、校了後に電子媒体などへの二次利用をお考えの商品は、データ構造を見直すことで、ほかの媒体へ転用しやすくしています。■効率化をにらんだ原稿作成  DTP作業全体のワークフローを安全かつ効率的にするためには、原稿をどのような形で作成するかも重要です。例えば、文中のルビや、太字などの文字種指定などはWordのスタイル機能を使用することで編集者による手書き指示を省くことができ、DTP作業の省力化にも繋がります。定型のパターンが連続する内容であれば、Excelデータ入稿によるデータベース組版をお勧めしております。 当社では、お客様がWordやExcelデータで原稿を作成する際にお使いいただけるテンプレートの制作サービスも行っております。原稿作成時と作成後、両方の作業効率を追求した、スタイル設定済のWord文書フォーマットや、関数・Excel VBAを活用したExcelシートを作成し提供いたします。 当社のデータ最適化サービスを是非お役立てください。印刷所へInDesignのネイティブデータを納品する際には、事前にアプリのバージョンの対応を確認しておく必要があります。フォントについても、モリサワやフォントワークスの書体は多くの印刷所が所有していますが、その他のメーカーのフォントを使用する場合には確認をしておきましょう。フリーとはいえ商用利用の場合は費用が発生するものもあります。使用許諾と印刷所の対応の確認が必要です。ドキュメントサイズは制作物の仕上がりサイズ原寸で作成されていなければいけません。塗り足しの寸法も製本仕様によって変わります。制作過程で不用意に特色やRGB色が混入してしまうことがあります。出力トラブルの原因となりますのでプリフライトでチェックしましょう。一般的にBL100%部分は自動的にオーバープリント処理されデータ上の設定は無視されます。データ上の設定を活かす場合は入稿時にご指示ください。入稿前には必ずInDesignのパッケージ機能を使って必要なリンクファイルを収集してください。リンク切れのトラブルを解消できます。アタリ画像がある場合は入稿時にご指示いただく必要があります。インキ総量が極端に高いと印刷時にトラブルが発生する可能性があります。当社では最大320%を限度としています。一つのドキュメント内で特色と透明効果を併用すると出力トラブルが発生します。特色版を別データにするなどの対策が必要になります。多くのプラグインは出力環境側にもインストールされている必要があります。使用する前に制作会社や印刷所の確認が必要です。2/2http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.41October 25,2017□ アプリケーションのバージョンは□ 使用している和文フォントは□ 和文フリーフォント使用の有無□ データの仕上がりと塗り足しのサイズ□ ドキュメント内で使用しているカラーは□ ドキュメント内でのオーバープリント設定の有無□ リンクファイルのパッケージを行ったか□ 画像はすべて実データか、アタリ画像は無いか□ インキ総量が320%を超えている箇所は無いか□ 特色と透明効果を併用していないか□ サードパーティー製のプラグイン使用の有無データ作成チェックリスト

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