▲■InDesignのバージョン 1998年にVer.1.0が発売されてから18年が経ちました。現在の最新のバージョンはCC(Creative Cloudの略)2015と呼ばれていて、Ver.11となっています。先行のQuarkXPressやPageMakerと同様、紙媒体のページレイアウトソフトとして開発、改良が進められてきましたが、タブレットやスマートフォンの普及により、最近では音声や動画を含めたデジタルコンテンツ制作ツールとしての側面も持っています。■各バージョンの互換性 InDesignは本体がバージョンアップされるたびに、日本語組版エンジンも改良されています。そのため、同じ文章であっても文字の流れが変わることがあります。また、上位バージョンで新たに追加された機能が影響してレイアウトが崩れるなど、バージョンを変更することで出力結果が異なることがあります。こういった理由から、InDesignは上位バージョンでのデータの読み込みは保証されていますが、出力結果が同一であることは保証されていません。これは下位互換についても同様です。■バージョンを上げることによるトラブル InDesignのバージョンを上げる場合に、CS4以前からCS5以降へのバージョンアップがいちばん危険を伴います。これはCS5に採用された新機能などが影響しています。そのうち特徴的な2点を紹介します。①角Rオブジェクトの設定の変化名称バージョン名OS9/Win98〜XPVer.1.0Ver.2.0OS9/Win98〜XPOSX/Win2000以上OSXとオープンタイプフォントに完全対応したバージョン。徐々に普及の兆しを見せる。SING外字ソリューション(外字作成機能)が搭載される。このころから普及期に入る。このバージョンより一気にシェアを伸ばし本格的に普及し始める。QuarkXPressを抜きDTPレイアウトソフトのスタンダードとなる。ライブプリフライトや正規表現スタイルなど、レイアウトソフトとして次々と機能強化を図る。紙媒体のレイアウトソフトとしては成熟期に入る。角Rの仕様が変更されたため、以前のバージョンから上げると不具合が発生する。Ver.3.0Ver.4.0OSX/Win2000〜XPVer.5.0OSX/Win2000〜XPVer.6.0OSX/WinXP〜VistaVer.7.0OSX/WinXP〜7Ver.7.6OSX/WinXP〜7Ver.8.0OSX/WinXP〜7Ver.9.0OSX/Win7〜8.1Ver.10.0OSX/Win7〜8.1Ver.11.0OSX/Win7〜10対応OS特徴QuarkXPressやPageMakerと比べ、強力な文字組機能を売りに発売された。IllustratorやPhotoshopとの親和性も高い。MacではOS9環境だったため、動作が不安定な面があり大きく普及するには至らなかった。主にEPUB書き出し機能が強化されたバージョン。代替レイアウト機能など、デジタルコンテンツ作成用の機能が強化される。64bit対応となったのが大きな変更点。高速な動作が期待できる。機能面ではQRコード作成機能など微細な変更にとどまる。表組機能や脚注機能の強化など、組版的な機能強化が図られる。また、固定レイアウトのEPUB書き出しにも対応。全面的にUIが変更される。また、システムのGPUを利用してパフォーマンスを向上させる「GPUパフォーマンス」機能が追加される。1/2http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.23Oct 21,2013InDesign Ver.1.0InDesign Ver.2.0InDesign CSInDesign CS2InDesign CS3InDesign CS4InDesign CS5InDesign CS5.5InDesign CS6InDesign CCInDesign CC2014InDesign CC2015InDesignの各バージョンの特徴ページレイアウトソフトのスタンダードであるAdobe InDesign。発売から18年が経過し現在の最新バージョンはCC2015(Ver.11.0)となっています。各バージョンの特徴やバージョンアップ時のトラブルなどをご紹介します。InDesignのバージョンについて
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