■2/2【3DCG制作の流れ】スキャンの対象となる物は、人物の顔、全身、美術品や工業製品など、多岐にわたります。3Dスキャナ全般に共通することですが、人間の髪の毛、黒い物体、鋭い先端(ナイフの刃先など)や反射度が極めて高いもの(鏡など)、透明度が高いもの(ガラス製品など)は読み込むことができません。また、計測距離に制限があるため、15cm程度以下の小さな被写体は正確にモデリングすることはできません。ビデオカメラと同じようにスキャナを持って対象物を撮影していきます。撮影は対象物から一定の距離範囲内で行います。ターゲットマーカーなどを貼付する必要はありません。スキャナにはフラッシュバルブとカメラがついています。バルブが被写体に光線パターンを発し、それをカメラが記録します。最大で毎秒16フレームキャプチャします。一回の撮影は一分以内で終了します。レーザーを使用しませんので人体にも安全です。一つの被写体に対して、対象物の形状に合わせて何度かに分けて撮影を行い、複数の3Dスキャンデータを取得します。スキャナは1秒間に最大28万点ものデータを取得しています。これらの点を線で結んでメッシュ化することで、3Dモデルデータができあがります。(メッシュを面で閉じたものが「ポリゴン」です。)撮影した回数分の3Dデータが出来上がりますが、それらをフュージョン機能を使って統合し、一つの完全な形にします。コンピュータ上で、グリッドの最適化、穴埋め、ノイズの除去、表面のスムージング等の処理を行い、さらに形を整えていきます。当社のスキャナは形状情報と同時に色情報を取得しています。色情報の貼付(テクスチャ・マッピング)は各工程で行うことができ、スキャンデータの色を確認しながら作業することができます。左は統合された3Dモデルにテクスチャを貼り付けた状態です。最終的な3Dモデルは、標準的なフォーマットで出力できます。出力フォーマットは、OBJ, PTX, STL, WRML, ASCII, AOP, PLYです(STL, ASCII, AOPではテクスチャ出力はできません)。3D CADデータとして使用することも可能です。また、3DCGソフトウェアを使用すれば、3Dモデルの加工や編集ができます。お客様のご希望に合わせて編集加工を施した3Dモデルを納品することも可能です。なお、データ量は使用環境や用途に合わせて軽量化することが可能です。http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.16September 10,2012
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