▲■デジタル検査の有効性 ここ10年の間に起こった急速なデジタル化により、プリプレスの作業工程は大きく変化しました。なかでも最大の変化は、製版工程をカットして、組版データから直接刷版を出力して印刷ができるようになったことです。それによって、生産性の向上やコストダウンなど、さまざまなメリットがもたらされました。 反面、以前は熟練した校正者の検査によって発見されていた下版ミス(製品の不良や校了紙との差異など)が、検査の回数が減ったために見落とされ、それが事故につながるケースも少なくありません。 間違いのない製品をお納めするため、製造工程のデジタル化と同様に、検査工程のデジタル化も進めていく必要があります。当社では従来の目視検査のほかに、二つの「デジタル検査」を導入しており、それらを工程や用途に応じて使い分けています。■Hallmarkerとは 二つの出力紙の差異を検査するソフトです。最大の特徴は、検査対象を選ばす、レーザープリンタなどの出力紙、デジタルコンセンサス、インクジェット、本紙色校正、さらには出来本まで、あらゆる紙媒体が検査可能な点です。「プリント出力紙とインクジェット」など、どのような組み合わせでも比較することができます。もちろん一方は出力紙ではなく、デジタルデータそのものでも構いません。 比較検査をするためには、二つの検査対象の位置合わせをしなくてはいけませんが、Hallmarkerには「オートレジストレーション機能」が備えられています。「オートレジストレーション機能」とは、一方の検査対象の検査エリアを指定すると、もう一方の検査対象から自動的に検査エリアを見つけ出してくる機能です。この機能により、単ページのプリントと面付されたDDCPといった組み合わせの比較が可能になります。 また、やむを得ないことですが、出力環境や出力用紙などの諸条件により、検査対象には歪みや伸縮などレーザープリンタの差異が発生します。特に色調にはかなりのぶれが生面付けじます。これらを差異として扱うか、もしくは許容誤デジタルデータDDCPインクジェット本紙単ページ見開き特定部分の検査レーザープリンタレーザープリンタインクジェット1/2デジタルデータDDCP本紙インクジェットデジタルデータDDCP本紙コピー等不鮮明伸縮歪み単ページ見開き特定部分の検査単ページ見開き面付け特定部分の検査面付けどんな形態で出力されたものでも比較検査が可能です。また、原稿の向きが異なっていても問題ありません。●Hallmarker 検査結果画面例面付けインクジェット●Hallmarkerの特徴単ページプリントどんな媒体の組み合わせでも比較検査ができます。状態が悪くても事前に設定を行うことにより検査が可能です。http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.13March 5,2012当社の品質を守る重要な工程のひとつ、デジタル検査をご紹介します。異なる媒体間でも比較検査が可能な「Hallmarker」、PDFの検査に特化した「Proof Checker PRO」、デジタル検査のご紹介
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