▲「禁則を使用しない」「弱い禁則」「強い禁則」禁則を使用しないくの思いで笹原を這い出すと向うに大きな池がある。吾輩は池の前に坐ってどうしたらよかろうと考え扌禁則処理を行わないため、句読点が行頭にきてしまいます。弱い禁則ぬふりをしたが、やはり気になった。その後、キャッシュカードを拾ったはいいが、なんだか怖くなっ扌無理のない、安定した字流れになります。強い禁則ぬふりをしたが、やはり気になった。その後、キャッシュカードを拾ったはいいが、なんだか怖く扌促音は禁則対象のため、「キ」から強制的に改行され、前行の字間が間延びしています。禁則処理に該当する文字■単数行コンポーザと段落コンポーザの違い InDesignには、「コンポーザ」という機能があり、文章内で改行するのに最も適した分割点で改行を行います。主に使用するコンポーザとして、「Adobe日本語単数行コンポーザ」と「Adobe日本語段落コンポーザ」があります。 単数行コンポーザの場合、行単位で改行する分割点を検討します。つまり、テキストの追加・削除などを行った行内でのみ調整を行うため、その行より前の行には修正による影響がありません。 それに対し、段落コンポーザは、段落単位で分割点を決めるため、文章が修正された場合、よりバランスのよい文字組にするため、段落全体で分割点を再検討します。そのため、修正箇所よりも前の行で、字詰めが変更される場合もあります(下図参照)。 このように、段落コンポーザに設定されている場合、修正のない箇所が変わってしまう危険があります。そのため、明昌堂では通常単数行コンポーザを使用しています。■禁則処理について InDesignにはデフォルトの禁則処理として、主に「強い禁則」、「弱い禁則」、「禁則を使用しない」の3つがあります。 まず「禁則をしない」設定ですが、文字通り全く禁則処理を行わないため、「、」や「。」が行頭にきてしまう場合があります。一般的に、この設定が日本語の文字組で使用されることはありません。 また、「強い禁則」に設定すると、多くの文字が禁則の対象となるため、行ごとに文字数が変わり、字間が間延びしたり、反対に詰まりすぎたりする頻度が高くなります。 以上のことを踏まえ、明昌堂では安定感のある「弱い禁則」を使用することを基本としています。なし、 。 , . ! ? : ;・ 々 ゝ ゞ ’ “ ”( )などの括弧類「弱い禁則」に該当する文字っ ゃなどの促音ー(音引き) ¥ $ % などトルツメ モリサワの書体が使え、電子ブックとしては高い表現能力を誇るリフロー系のフォーマットで、iPhone/iPadおよびAndroidで閲覧できます。➡例えば、この文章の三行目にある「iPhone/」をトルツメ、という修正を行ったとします。➡トルツメを行った行内で改行分割点を検討するため、その行より上の行には影響がありません。➡段落全体で改行分割点を検討するので、一行目の「ク」が次の行に送られてしまいました。1/2http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.11「コンポーザ」の使用例単数行コンポーザの場合 モリサワの書体が使え、電子ブックとしては高い表現能力を誇るリフロー系のフォーマットで、iPadおよびAndroidで閲覧できます。段落コンポーザの場合 モリサワの書体が使え、電子ブックとしては高い表現能力を誇るリフロー系のフォーマットで、iPadおよびAndroidで閲覧できます。November 1,2011大変便利な一方で、その特性を十分理解して使用しないと、赤字のない箇所が変わるといった問題の原因にもなりえます。InDesignには文字組に関する様々な機能があります。InDesignにおける文字組み・禁則処理について
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