▲October 15 ,2021 出版物は商品ごとにデザインや判型、ページ数、色数等が異なり、一点一点がオーダーメイドです。出版物のデータを作るDTP制作もライン化はできません。 それでも当社では、依頼いただいた全ての仕事において自動組版やデータ加工、アプリの組み合わせ等、さまざまなアイデアでDTP作業の効率化、省力化を図っており、その成果はコストダウンという形でお客様へ還元されています。 また同時に、お客様側の原稿作成や校正といった編集業務についても、その作業負担を軽くするための提案を行っています。今回紹介するのは、当社の提案により実際にコストダウンや効率化につながった事例です。■索引の作成・校正業務の効率化 実用書籍の多くに索引ページがありますが、索引は本文が校了に近づいてから着手されるため、原稿作成、校正確認の時間を十分に取れない場合があります。とは言え、ページ数が多い商品などではノンブルと語句の付け合わせに大きな労力が必要です。 当社で毎年受注している商品に、総ページ数1400、InDesignデータ上に索引語とその読みが登録されている。登録されている語句は索引パレット(右)に表示されここで管理することができる。索引語として登録されている語句の先頭にはこのようなマーカーが挿入されている。これを「索引マーカー」と呼ぶ。ルビを入れる箇所と入れない箇所をレイヤーで分けることで、部分的な総ルビ化を労力をかけずに行うことができる。上図ではピンク色のテキストフレームのレイヤーにはルビが入らない。1/2うち索引が40ページにおよぶ看護師国家試験の参考書があり、お客様は上述のような進行に苦労されていました。そこで、本文にあらかじめ索引情報を埋め込んでおくことを提案しました。 この商品は前年度版をベースに、新規原稿を挿入して作られます。まず、前年度版データの索引語にタグとその語句の読みを埋め込みました。これで索引語の自動抽出が可能となりました。新年度版の作業を行う際は、新規原稿の文章中に索引語が含まれる場合に、挿入する時点で索引語にタグを入れてしまいます。索引は、本文データからテキストを抽出しフォーマットへ流し込むことで完成します。この工程により索引語とノンブルの付け合わせが不要になり、確認の手間が大きく軽減されました。MCR29,49■誌面の特定の部分だけを総ルビに 低学年向け図鑑のルビ入れについて相談をいただきました。著者様が自らInDesignでレイアウト作業を進めており、ルビ入れだけ当社に依頼したいという内容です。ただしこの商品は、主に子どもが読む箇所は総http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.62当社のアイデアにより、お客様の編集作業負担やミス発生が減り、DTPの制作効率は工夫次第で大きく向上できます。また、コストダウンが実現できた事例をご紹介します。編集作業軽減のための取り組み
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