明昌堂クリエイティブレポート
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▲April 05 ,2021■印刷物の画像補正 近年、デジタルカメラやスマートフォン内蔵カメラの性能は著しく向上しています。誰もが簡単に高画質なデジタル写真を撮影し、SNSなどに使用しています。 しかし、高画質な画像データが必ずしも印刷物向きであるとは限りません。スマートフォンやPCのモニターではなく、紙に印刷された時点で再現性を保っていることが重要です。 デジタルカメラの画像は光の三原色であるRGBで表現されていますが、印刷物は色料の三原色である 「シアン」「マゼンタ」「イエロー」に「ブラック」を加えたCMYKで表現されています。RGBとCMYKでは表現できる色の領域が違い、RGBの方がCMYKより広い色彩を表現できる領域を持っています。そのためRGBをCMYKに変換する際に少しくすんだような色味になり、モニターで見ていた色と印象が変わってしまいます。 また、カラー印刷ではインクの裏抜けやブロッキングの防止、乾燥時間の短縮のため、総インク量(TAC値)を4色合計で320%など一定限度までに抑える必要があります。そのため、印刷で使用する画像データはTAC値を抑えつつ、RGBからCMYK変換でくすんだ色調を整えなければいけません。 当社では、元の画像の色味や風合いを印刷でより忠実に再現するため、経験のある専任の技師が画像補正作業を行っています。また、忠実に再現するだけでなく、コンテンツの内容に合わせて画像を加工することも可能です。 組版の原稿と一緒に画像データを入稿していただければ、補正済みの画像を貼り込んで出校しますので、カラーマネジメントされたプロジェクションプリンターで出力した校正紙であれば、初校から文字やレイアウトとともに画像の色確認が可能です。■明昌堂のプルーフ出力 最近はPDFでの校正のやり取りが増え、お客様側で校正紙をプリントしていただく機会が多くなりました。当社のような制作会社や印刷会社であればプロダクションプリンターが導入されていますが、一般的なオフィスではビジネス用途の複合機で出力することになります。文字中心の書籍ならそれで問題ありませんが、写真やイラストが多く使われている場合、色味の確認が十分にできません。色調補正前色調補正後プロダクションプリンター1/2本紙色校正機インクジェットプリンターhttp://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.59色味確認のためのプルーフ出力を含め製版工程をスムーズに進めたい、そのような要望に応える当社のシステムについてご紹介いたします。写真や図版の色をイメージ通りに印刷物に再現したい、画像補正と校正紙(プルーフ)出力

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