先頭文字スタイル正規表現スタイル■InDesignのフォーマット機能 InDesignには、編集、制作ともに作業の効率化を図ることができる、豊富な機能があります。 例えば、本文中に入る「(図1)」などをゴシックにして少し強調させる、行頭にある「(1)」などはその後に続く文章と書体を変える、といった組版上のルールがある場合、通常はテキストを出力した指定紙にマーカーなどで指示していただくことになります。しかし、InDesignの「先頭文字スタイル」や「正規表現スタイル」といった機能を使うことにより、決められた条件に合致した箇所に自動的にスタイルを適用することができ、原稿による指示が必要なくなります。制作時間の短縮や手作業によるミス削減も期待できます。 ただし、これらの機能は当然、フォーマット作成時に設定しておく必要があります。■明昌堂のフォーマット作成 フォーマットを制作する際、当社では以下のような商品情報をヒアリングいたします。 当社では見た目だけではなく、前述のInDesignの機能なども取り入れ、実作業での使い勝手が十分に考慮されたフォーマットを作成します。そのため、デザイナーに制作を依頼される場合よりも多くの情報をいただいています。 フォーマットのデザインは通常、複数案提出します。この時点で書体や級数、色などの大まかな設定が確認できる仕様書を添付します。 その後、サンプルテキストを入稿いただき、数ページ分の見本組を行います。見本組は、本文内に出てくる見出しやスタイルなど、全ての要素を入れ込んだ状態で作成して出校します。初校出校後の大幅な仕様変更は、効率面、品質面を考慮すると避けたいものですが、お客様に見本組を確認いただくことにより、その発生を極力抑えています。 デザインが確定したら、先ほどの仕様書をフォーマット指定紙(オモテ面参照)として完成させ、お客様にお渡しします。■Wordテンプレートの作成 WordとInDesignは親和性の高いアプリケーションソフトです。InDesignには「段落スタイル」「文字スタイル」という設定項目がありますが、これはWordでも採用されており、テキストを取り込む際、Word上で行ったそれぞれの設定がInDesignに自動的にインポートされます。(詳細につきましては MCR Vol.44をご参照ください) 当社では、フォーマットに合わせてスタイルをあらかじめ設定したWordテンプレートを提供するサービスを行っています。このWordテンプレートを使用して原稿を作成いただくことにより、テキストデータのみで原稿を完結させることもできます。段落の先頭にある記号や数字だけ色や書体を変更するのはよく見られるパターンです。先頭にある文字に規則性がある場合は、条件を設定することでInDesignが自動的にスタイルを設定します正規表現※を用いて本文中の文字列を検索し、該当する箇所にInDesignが自動的にスタイルを設定してくれます。パーレンで囲まれた文字を強調する場合などで使用します2/2※ある文字の並び(文字列)を表現する一つの方式http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.56February 08 ,2021・ページ数 ・色数 ・使用アプリケーション・最終納品形態 ・組版ルール ・スケジュールInDesignの機能を活かしたフォーマット作成
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