▲1/2■フォーマットの意義 DTP組版におけるフォーマットとは、制作する書籍のテンプレート（ひな形）となるもので、その良し悪しは作業効率と製品の品質に大きく影響します。 当社では基本的にページレイアウトソフトであるInDesignで組版を行います。一方、デザイナーの中にはIllustratorでフォーマットを作成する方もいます。紙面のビジュアルを作成するためであれば、画用紙に絵を描くような感覚で使えるIllustratorは扱い易いソフトです。そのため、チラシやポスターなど一枚物の作成には向いています。しかし、ページという概念がなく、ノンブルや柱など誌面の共通アイテムを設置するためのマスターページがないなど、ページ物を作成するための機能がInDesignに比べ劣っています。文字組もInDesignのように詳細な設定ができませんので、文字中心の書籍にも不向きです。また、写真が多用される雑誌などをIllustratorで作成するとデータ量が非常に大きくなり、作業効率の低下、出力トラブルの発生などのデメリットがあります。 当社では、デザイナーが作成したフォーマットを使って組版を行うことも多くありますが、入稿したフォーマットがIllustratorデータであった場合は、InDesignデータとして再作成しています。また、InDesignで作成されていたとしても、その後の作業内容を考慮して、データに修正を加えたり、設定を追加したり、時には一から作り直すこともあります。 フォーマットの最適化を行うことにより、書体や級数、アイテム間の空きなどに不統一な箇所が頻発するなどの不具合を防ぐことができ、特に初校時の仕上がり精度が向上します。初校以降の作業でも、統一修正が一括で処理できるなど効率面に大きなメリットがあります。そのため当社ではフォーマットデータの工程を重視し、最も経験のある技師のグループがその作成に当たっています。当社ではフォーマットデザインの確定後、このような指定紙を作成します。これをお客様と共有することでその後の作業をスムーズに行うことができます。また、複数人で作業を行う場合や同体裁のシリーズものを制作する場合の品質保持にも繋がります。http://www.meisho-do.co.jpMeisho-do Creative Report Vol.56February 08 ,2021フォーマット指定紙悪いフォーマット・Illustratorで作成されている・基本的な版面設計ができていない・見出し等のパターンが網羅されていない良いフォーマット・InDesignで作成されている・文字やオブジェクト間の空きなど設定が明確・InDesignの機能が活かされているDTP組版においてフォーマットは非常に重要な要素です。適切なフォーマットを用意することによって、作業効率の向上だけでなく、品質の安定、編集業務の省力化も図ることができます。フォーマットの作成について
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